出前講座 東温市立拝志小学校

2019年7月18日 09時14分
出前講座

7月17日、東温市立拝志小学校においてプログラミング教育についての研修を行いました。拝志小学校は今年度、プログラミング教育の推進について本センター情報教育室と連携・協力をしていただいている学校です。今回は、拝志小学校の校内研修支援を兼ね、東温市内の小学校からも参加者を募り講座を開きました。

研修内容は、プログラミング教育の導入の背景と、理科の電気の学習で活用できる「micro:bit」と「PGCon」という教材でのプログラミングの体験、そして、アンプラグドコンピューティングの模擬授業でした。

実習で活用した「micro:bit」は、教育用の小型コンピュータボードです。実際の機材を用いての実習が望ましいのですが、インターネット上でシミュレーションをすることもできるので、そちらを体験しました。(https://makecode.microbit.org/

縦5列横5列並んだLEDを点滅させるプログラムを組みます。ブロックの説明を受け、プログラムを組みますが、コンピュータの処理はとても速く一瞬で処理をするため、点灯と消灯を続けて並べたのはLEDを光らせることはできません。そこで、点灯させたらその状態で一時停止するブロックを入れなければならないことを学習していただきました。上手にLEDを点滅させることができたときは安心した様子がうかがえました。

次に、「PGCon」の実習に移りました。こちらも、先程の「micro:bit」と同様にブロックを組み立てながらLEDを点灯させることのできる機材です。こちらは実際に機材を使って体験していただきました。

「micro:bit」とは違い、実際に機材のLEDが光るので、光ったときには歓声が上がりました。そして、「PGCon」には、押しボタンも付いています。そこで、スマートフォンの機能、起動させるとしばらくして電源を切るというプログラムに挑戦しました。「PGCon」のボタンを押すとLEDが点灯し、5秒後にLEDが消灯するプログラムを組んでいただきました。やや難しいプログラムではありましたが、隣の方と相談しながらプログラムを組んでいました。このような、対話的な学習を進めることもできるのがプログラミング教育の良いところです。

最後に、以前三島小学校の出前講座でも行った「割り算の筆算」でプログラミング教育の視点を持たせた模擬授業を行いました。

72円を3人で同じ値段に分ける手順を一つ一つ押さえながら、72を3で割る順序を整理していきました。このような、手順や順序を大切にする学習が小学校教育の中にたくさんあることを伝え、ほかにどのような場面があるか考えてもらいました。
その中で、理科の「ゴムの働き」の学習において、ゴムで動く車を指定した長さだけ走らせるにはどうすればよいかを考えさせる場面を設定すれば、ゴムの本数やゴムを巻く回数の条件に合わせて実験をする過程においてプログラミング的思考を育むことができるのではないかという意見が出ました。

この研修が、拝志小学校だけではなく東温市内全体のプログラミング教育推進の一助となれば良いと感じています。

出前講座 松山市立粟井小学校

2019年6月20日 10時19分
出前講座

プログラミング教育の概要プログル実習プログル実習

6月19日、松山市立粟井小学校においてプログラミング教育の出前講座を行いました。

はじめに、プログラミング教育の概要について説明しました。プログラミング教育をするにあたり大切になってくるのは、活動の見通しを持って論理的思考を働かせながら問題解決を図ることです。つまり、プログラミング的思考を育むことです。そのことを理解していただき、実際にプログラミング体験を行いました。

プログラミング体験で使った教材は、「プログル」(https://proguru.jp/)です。ウェブ上でプログラミングの学習をすることができる便利な教材です。プログルでは、算数科で学習する「正多角形の作図」「公倍数の求め方」「平均の求め方」などのコースが用意されており、今回は「正多角形の作図」に挑戦していただきました。

プログル画面正多角形の作図のきまり

命令ブロックを組み立てながら、正方形、正三角形、正六角形を描いていきます。ここで、子どもたちが混乱するであろうポイントは、頂点で回転する角度です。図形を学習するときには、図形の内角に着目する指導を行うことが多いです。しかし、プログラムする時には、外角に目を向ける必要があります。そのことを丁寧におさえれば、難なく解決ができます。

そして、授業の本題へ突入します。授業では、プログラミングをすることが目的ではありません。プログラミングを通して、正多角形を描くときのきまりを見つけることが目的となります。正三角形を描く際には、進んで回転する行動を3回繰り返します。回転する角度は120°です。正方形は、進んで90°回転する行動を4回、正六角形は、進んで60°回転する行動を6回繰り返します。ここから、回転する角度と繰り返しの回数の積が360であることに気付かせます。そうすれば、正五角形は、360÷5=72 つまり、進んで72°回転する行動を5回繰り返せば正五角形を作図することができます。

このきまりを使って、様々な正多角形を描くプログラムを組んでいただきました。特に、正七角形をプログラムして描いたり、360を3.1で割ったときのプログラムを組んだときにできる図形を見てもらったりしながら、人間では作図が困難な図形でもコンピュータを使えば簡単に作図できるよさを感じ取っていただきました。

出前講座 鬼北町立三島小学校

2019年6月14日 15時59分
出前講座

プログラミング教育の概要えひめプログラミング教育ホームページの紹介ドローン発進

6月12日、鬼北町立三島小学校でプログラミング教育についての出前講座を行いました。来年度からの小学校におけるプログラミング教育の必修化を控え、小学校の先生方は、多くの不安を抱えています。三島小学校のみなさんも例外ではなく、その不安を解消するため、熱心な研修が行われました。

前半は、小学校教育にプログラミング教育が導入される経緯について講義を聞いていただきました。そして、本センターで発信をしている「えひめプログラミング教育ホームページ」を紹介し、プログラミング教育に関する実践事例を掲載していることを伝えました。ぜひ、今後の授業に役立てていただきたいと思います。そのあと、ドローンを飛ばしました。プログラムをすれば、自由自在に機器を扱うことができることを見ていただきました。ドローンが浮かび上がり、1回転をして進み始めたときには歓声が上がりました。

アンプラグドの模擬授業72÷3の操作活動アンプラグドの活用法の発表

研修の後半は、アンプラグドコンピューティングの模擬授業を行いました。アンプラグドコンピューティングとは、コンピュータを使わないプログラミング教育です。4年生の算数の単元「わり算」の体験をしていただきました。学習課題は「72÷3はいくつでしょう」で、どのようにして答えを導くかを考えることがめあてです。教具として、お金の模型を使い、10円玉7枚と1円玉2枚を3等分していきます。当然、10円玉を2枚ずつ分けたところで、余った10円玉を両替しなければ分けられないことに気付きます。両替のあと、1円を4枚ずつ分け、答えを24と導きます。大切なのは、分けていく手順を言葉にしていくことです。手順は、下の通りです。

①10円を2枚ずつ3つに分ける。
②余った10円を両替して、1円玉12枚にする。
③12枚の1円を4枚ずつ分ける。

この活動がプログラミン的思考を育む活動であることを伝えました。そして、この手順を筆算の手順と結びつけ、筆算の計算方法を理解させる活動へとつなげました。

このように、手順を考える活動というのは、算数に限らず、国語でも社会でも体育でも存在することを伝え、ほかにどのような活動があるか考えていただきました。その結果、「運動会の団体競技」「理科のインゲン豆の発芽条件」「国語の漢字の書き順」「家庭科の玉留めの方法」などなど、多くの事例があがりました。研修後、受講された先生の言葉に「手順を考える活動は、我々教師が授業を組み立てることと同じことだと思いました」とあり、問題解決の手順に目を向けさせて学習させることがプログラミング的思考を育むことにつながることを身をもって体感していただけたようでした。