ロボットプログラミングをやってみよう
ロボットプログラミングは楽しくて簡単!
ロボットプログラミングとは
「Scratch」「Viscuit」「ScratchJr」では、パソコンやタブレットの画面に映っているキャラクターを思い通りに動かすためのプログラミングをしていました。ロボットプログラミングは、名前の通りロボットを思い通りに動かすためのプログラミングです。ロボットのプログラミングって難しそう・・・と思われがちですが、最近は未就学児や小学生が楽しんでできる教材がたくさんあります。以下の教材をクリックすれば、紹介ページを見ることができます。
studuinoを使ってみる
Studuino(スタディーノ)は面白い!
ブロックの組み換えで自由に教材作成!
Studuinoはアーテック株式会社が開発したプログラミング教育用の制御基板です。ロボット製作に特化したものになっています。「アーテックロボ」という製品名で計測と制御キットが販売されており、Studuino基盤やブロック、電子パーツ等がセットになっています。これによって、目的に合わせてブロックと電子パーツを組み合わせてロボットを作成するができます。電子パーツはLED、センサー、モーター等があり、Studuino基盤に接続すれば、ロボットカーや信号機等を作ることができます。プログラミングをするためには、パソコンにソフトをインストールする必要があります。
Studuino基盤の構造
後で紹介するブロックや電子パーツを、このStuduino基盤につないで組み立てることで教材を作ります。
ブロック
ロボット教材の形を作るためには必要不可欠な部品です。
電子パーツ
ここでは、ロボット教材でよく使うと思われる電子パーツを掲載しています。他にもありますので、気になる方はアーテックロボの商品カタログで確認してください。カタログはこちら(外部ページ)
LED
下の写真では、緑、赤を表示していますが、他には青や白のLEDもあります。
DCモーター
ロボットカーには必須の電子パーツです。これが動力源になります。
タッチセンサー
下の写真に表示されたタッチセンサーで、左の突起はボタンになっています。ボタンを押すと動作するようにプログラムするための電子パーツです。
赤外線フォトリフレクタ
センサーからの距離を認識するための電子パーツです。衝突回避や人感センサーのような役割ができるようにプログラミングができます。
サーボモーター
ロボットでは大事な電子パーツです。人間で言うと手足の関節部分です。必要な動作をさせるために、回転する角度を指定します。
教材例
ロボットカー
下の写真は、DCモーターと赤外線フォトリフレクタを使って作成したロボットカーです。目的まで到達させるためのプログラミング、障害物にぶつかる前に止まらせたり、回避したりするためのプログラミング等ができます。目玉の部品を付ければ、かわいいペットの様に見えます。
信号機
下の写真は、LED(赤・青)とタッチセンサーを使って、信号機を作りました。タッチセンサーをボタンの役割をさせることで、押しボタン信号機のプログラミングをすることができます。
パソコンの準備が必要
Studuinoを制御するためには、パソコンでプログラムを作成し、USBケーブルで転送しなければなりません。まずは、パソコンに「Studuinoソフトウェア」と「USBドライバ」をインストールしてください。
ダウンロードページはこちら(外部ページ)
Studuinoソフトウェアでは、アイコンプログラミング環境(左)とブロックプログラミング(右)の2種類があります。アイコンプログラミングは、上にあるアイコンを下にある同型の枠にはめ込むことでプログラミングを行います。アイコンの絵で命令の内容が分かり、命令の仕組みが簡単になっていますが、複雑な命令ができないことがあります。小学校低学年向きです。ブロックプログラミングは、scratchと同じ感覚でプログラミングができます。小学校中学年高学年向きです。
信号機を作ってみよう
まずは組み立て
緑と赤のLED(左)とタッチセンサー(右)を使います。
接続コードでStuduinoのコネクタに接続し、いくつかのブロックを組み合わせると信号機の完成です。
プログラミングの前に
Studuinoソフトウェアのブロックプログラミングでプログラムを作ります。まず、パソコンとStuduinoをUSBケーブルで接続します。
入出力設定を行います。その際、チェックを全て外すをクリックしてから、どのコネクタにどの電子パーツを接続したかを確認して、それぞれのコネクタのチェックを付けて設定をしてください。
下のように、プログラムを作ってみましょう。電子パーツを接続しているコネクタは、下記のとおりです。各電子パーツに接続しているコネクタを確認してください。
A0:LED(赤) A1:LED(緑) A2:タッチセンサー
作り終わったら、「実行」→「プログラム作成・転送」とクリックをします。
出来上がったのは、押しボタン信号機でした。タッチセンサーを押すと信号が青に変わり、5秒後に点滅を繰り返した後、赤に変わります。下の動画で確認できます。
PGCon(ピジコン)
PGCon(ピジコン)はStuduino(スタディーノ)よりも簡単!
主にLED制御学習用として活用
PGConは、アーテック株式会社が開発したプログラミング教材で、LED制御学習に特化したものです。Studuinoのようにブロックを組み立てる必要はありません。専用のUSBケーブルでコンピュータに接続し、コンピュータ上で作成したプログラムを転送することでLEDを制御することができます。この教材を活用することにより、小学校6年生の理科「電気の利用」において、電気を効率的に利用する方法などをプログラミングで体験し、その仕組みを学習することが可能です。
PGCon(ピジコン)の構造
【光センサー】
明るさを0~100の値で計測。明るいほど値は大きくなる。
【ENTERボタン】
押しているときは0、押していないときは1の値を示す。
【フルカラーLED】
RGBをそれぞれ0~255で指定して色を設定。点灯・消灯の制御が可能。
【リセットボタン】
転送されたプログラムをはじめから実行。
【電源入力確認用LED】
正常に電源が入力されていると黄色に点灯。
【電源出力確認用LED】
正常に電源が出力されていると緑色に点灯。
【入力端子(USB)】
PCとの通信ケーブルのコネクタ。USB microB規格。電源供給も可能。
【入力端子(DC)】
外部電源(乾電池等)を入力するコネクタ。XHタイプ。
【出力端子(USB)】
USB給電で動作する機器を接続するコネクタ。USB A規格。
【出力端子(DC)】
USB機器以外の外部機器に出力するコネクタ。XHタイプ。
【外部アナログ入出力】
アーテック製のロボット用の機器が接続できます。音センサー・光センサー・赤外線フォトリフレクタ・タッチセンサー・電子ブザー・LED・温度センサー
PGConの制御に必要なもの
・Windows搭載のコンピュータ
・PGConソフトウェア
・USBケーブル(microB規格)
USBケーブルの片方(A規格)をコンピュータ側に接続し、もう片方(microB規格)をPGConの入力端子(USB)に接続します。コンピュータにUSBデバイスドライバのインストールは不要で、自動的に認識されます。コンピュータとPGConをUSBケーブルでつなぐことによって、コンピュータで作成したプログラムをPGConに転送することができます。
PGConソフトウェアでプログラミング
コンピュータ上のPGConソフトウェアでプログラムを作成して、USBケーブルでPGConに転送することにより、PGConを制御することができます。PGConソフトウェアは、ウェブ上に公開されています(無料)。
PGConソフトウェアは、scratch1.4をベースにPGCon制御用に開発されたものです。インストールは不要で、ダウンロードしたzipファイルを展開し、展開されたフォルダ内の実行ファイル(pgcon.exe)を起動するだけでPGConソフトウェアを利用することができます。
上の図のように画面構成は、主に3つの部分に分かれています。「ブロックパレット」は、PGConを制御するための命令ブロックのが保管されています。その中にある「カテゴリー」は命令ブロックの分類名です。スプライトエリアは、実際にプログラミングを作成する場所です。
プログラム作成の流れ
操作の方法は、上の図のように「ブロックパレット」内の「カテゴリー」を選択して、必要な命令ブロックをドラッグし、スプライトエリアにドロップをすることでプログラムを作成することができます。その際、緑の旗の「制御スタート」ブロックの下側に連結するように、白い線を確認しながらピッタリくっつけて並べていきます。「制御スタート」に付けられた命令ブロックについて命令を実行することができます。
PGCon本体のボタンと光センサーについては、「テストモード」を実行することによって、値の変化を確認することができます。「ボタンを押したらLEDが点灯する」「暗くなったらLEDが点灯する」といった制御をするときには、非常に重要な情報となります。
プログラムが完成したら、上の図のようにPGConへ転送します。転送完了後すぐにプログラムが実行されます。再度、実行したいときは、リセットボタンを押してください。自分が思っていた動作をしなかった場合は、プログラムの修正をすることができます。不要なブロックがある場合は、そのブロックをドラッグしてブロックパレットにドロップすれば削除することができます。修正が終わったら、再度プログラムをPGConに転送することによって、修正されたプログラムを実行することができます。
作成したプログラムはコンピュータに保存して、必要な時に読み込むことができます。様々なプログラムを作成し、教材として保存ておくと便利です。
LEDの色は自由に設定できる
PGConのLEDの色は、R(赤)G(緑)B(青)の明るさをそれぞれ調節することにより、自由に設定することができます。値の設定が簡単な色の幾つかは、下の図で紹介しています。
主な命令ブロック
実際にLEDを制御してみよう!!
制御1 LEDを好きな色に5秒間点灯させよう
制御2 ENTERボタンを押したときLEDを好きな色に5秒間点灯させよう
制御3 光センサーを利用して暗くなったらLEDを好きな色に5秒間点灯させよう
Ozobotを使ってみる
Ozobot(オゾボット)はとても簡単!
え!?これがロボット!?
Ozobotは、海外のEvollve社が開発した教育用ロボットです。3cm程度の大きさで、世界最小のプログラミング用のロボット教材といわれています。日本では、「たこロボ」という商品名でも販売されています。底面にセンサーが付いていて、紙に書かれた線を読み取りながら線上を走ります。
色の配列による命令が画期的!
何といっても特徴的なのはその命令方法です。Ozbotは特定の色の配列を読み取らせることで、様々な動きの命令を行います。例えば、「青緑青」だと、速度がターボになります。また、「緑黒赤」だと、次の交差点で左に曲がります。パソコンもタブレットも使わずに、紙とペンだけでロボットを思い通りに動かすことができます。なので、未就学児から利用ができる教材です。
Ozobotの構造は非常に分かりやすい!
Ozobotの直接の操作は側面にある1個のスイッチボタンで行います。1回押すと電源オンになります。この状態で線の上に置くと走り出します。もう1回押すと電源オフになります。LEDは、黒い線の上を通過すると「水色」に光ります。黒以外の色の上を通過するとその色で光ります。例えば、「赤」の上を通過すると一瞬だけ「赤」に光ります。
反応が悪いときはキャリブレーション
使い続けると、命令通りに動かない時があります。その時は、「キャリブレーション」を実行して、センサーの調整をすれば改善されます。キャリブレーションの方法は、スイッチボタンを長押しして、LEDが一瞬白く点滅するまで押し続けます。スイッチボタンを離して何回か白く点滅した後に緑色に点滅すれば成功、赤色に点滅すれば失敗です。下のキャリブレーションゾーンに底面のセンサーを合わせながら実行するとできます。
実際に体験してみよう
下の図で、女の子がいる家から公園へOzobotを向かわせるプログラムを考えましょう。途中にいろいろな邪魔なものがありますが、それらを避けて公園に行かなければなりません。公園に向かう途中で交差点がいくつもあります。その手前には、色を塗る3つのマス目があります。マス目に色を塗って、確実に公園にたどりつくようにしましょう。実際に色を塗って、Ozobotを走らせてみましょう。印刷して試してください。ファイルはこちら(PDF493KB)
micro:bitを使ってみる
イギリス発!プログラミング体験ができる小さなコンピュータ
micro:bit(マイクロビット)とは?
micro:bit(マイクロビット)は、プログラミング教育、STEM教育の盛んなイギリス生まれのマイコンボードです。マイコンボードとは、小さなコンピュータのことで、BBC(英国放送協会)が中心となって開発しました。イギリスでは、日本の中学1年生に当たる100万人の生徒に、無償で配布されています。
約5cm×4cmほどの基板上に、個々の制御が可能な25個のLED、2個のプッシュボタン、加速度センサー、明るさセンサー、磁気センサー、温度センサーを搭載し、無線通信機能(Bluetooth)にも対応しています。
また、micro:bitに用意されたプログラミングソフトは、ブラウザ上でブロックを組み合わせるだけでプログラムを作れるため、子どもでも簡単にプログラミングを習得することができます。
さらに、プログラミングソフトには、プログラムの動作を画面上で確認できるシミュレーター機能があるため、micro:bitに何度も書き込まなくても、自分で作ったプログラムの結果をパソコンの画面で確認することができます。「作る→試す」を繰り返しながらプログラミングしていくのに大変役に立つ機能です。
micro:bit(マイクロビット)の使い方
micro:bitを使う手順は、次のとおりです。
1.コンピュータを起動し、USBケーブルでmicro:bitをつなぐ(パソコンのフォルダを開くと「MICROBIT」という名前のフォルダが新しく見える)。
2.インターネットブラウザでプログラミングソフトに接続し、ブロックを組み合わせてプログラムを作成する。
3.作成したプログラムをダウンロードし、micro:bitに書き込む。
なお、micro:bitの制御には、次のものが必要です。
・micro:bit
・コンピュータ
・MakeCodeエディター(プログラミングソフト)
・USBケーブル(microBタイプ)
micro:bitの各部の名称と役割
MakeCodeエディターの起動と画面構成
プログラムの作成と保存
センサーを活用したプログラミングの実習例
・実習1「LEDでアイコンを表示させる」 解説ファイル_1.pdf
・実習2「LEDでアイコンを点滅させる」 解説ファイル_2.pdf
・実習3「電光掲示板を作成する」 解説ファイル_3.pdf
・実習4「明るさの値を表示し、一定の暗さになったらLEDを表示させる」 解説ファイル_4.pdf