概要編-高等学校
高等学校におけるプログラミング教育
1 高等学校におけるプログラミング教育の取扱いについて
高等学校でのプログラミング教育は、共通必履修科目「情報Ⅰ」において全ての生徒が履修することとなる。職業教育を主とする専門学科では、「農業と情報」(農業)、「工業情報数理」(工業)、「情報処理」(商業)、「海洋情報技術」(水産)が、「情報Ⅰ」の代替科目として考えられる。Society5.0時代に向けて、社会の変革に対応し、プログラミング教育を通して「課題解決」に向けた思考力・判断力を身に付けることが求められている。「情報Ⅰ」の学習指導要領では、プログラミング分野について以下のように学習目標が示されている。
第3章 コンピュータとプログラミング コンピュータで情報が処理される仕組みに着目し,プログラミングやシミュレー ションによって問題を発見・解決する活動を通して,次の事項を身に付けることがで きるよう指導する。 ア 次のような知識及び技能を身に付けること。 (ア) コンピュータや外部装置の仕組みや特徴,コンピュータでの情報の内部表現と 計算に関する限界について理解 すること。 (イ) アルゴリズムを表現する手段,プログラミングによってコン ピュータや情報通 信ネットワークを活用する方法について理解 し技能を身に付けること。 (ウ) 社会や自然などにおける事象をモデル化する方法,シミュ レーションを通して モデルを評価し改善する方法について理解 すること。 イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。 (ア) コンピュータで扱われる情報の特徴とコンピュータの能 力との関係について考 察すること。 (イ) 目的に応じたアルゴリズムを考え適切な方法で表現し, プログラミングにより コンピュータや情報通信ネットワー クを活用 するとともに,その過程を評価し改 善すること。 (ウ) 目的に応じたモデル化やシミュレーションを適切に行う とともに,その結果を 踏まえて問題の適切な解決方法を考 えるこ と。 |
2 「情報Ⅰ」のプログラミング分野の学習内容
文部科学省の『高等学校情報科「情報Ⅰ」の教員研修用教材では、次の項目についての学習内容が例示されている。
(1)基本的プログラム
1)アルゴリズムとプログラミング
2)制御構造
3)流れ図(フローチャート)
4)制御構造のプログラム
(2)応用的プログラム
1)リスト
2)乱数
3)関数
(3)アルゴリズムの比較
1)探索アルゴリズム 線形探索と二分探索
2)ソートアルゴリズム 選択ソートとクイックソート
3)選択ソートとクイックソートの比較
(4)確定モデルと確率モデル
1)モデル化とシミュレーション
2)確定モデルのシミュレーション
3)確率モデルのシミュレーション
(5)自然現象のモデル化とシミュレーション
1)物体の放物運動のモデル化
2)物体の放物運動のプログラムによるシミュレーション
3)生命体の増加シミュレーション
4)ランダムウォークのシミュレーション