出前講座 内子町立大瀬小学校

2020年10月15日 08時40分

10月14日、内子町立大瀬小学校で、プログラミング教育の出前講座を行いました。

まず、「小学校におけるプログラミング教育」と題して、「小学校にプログラミング教育を取り入れる理由」「プログラミング教育のねらい」などについてお話ししました。大瀬小学校から「小学校低学年でプログラミングをどのように取り入れればいいの」とのお問い合わせもあり、以下の二つもお話ししました。

一つは「アンプラグドコンピューティング」(参考:えひめプログラミング教育HP)についてです。コンピュータを用いないで行う「アンプラグドコンピューティング」によるプログラミング教育では、教材・教具と指導の工夫が必要です。具体物やカードなどの教具を用いて、実際に手や体を動かし、友だちと話し合いながら問題解決の手順を、筋道を立てて考えていくという体験をさせるのです。また、児童が普段、当たり前のように学習していることの中に、「プログラミング的な処理」の仕方が含まれているという視点を持って指導するのです。その例として、国語科での作文指導や、図画・工作科での紙版画を挙げました。「プログラミング的な処理」には、「順次(処理)」「反復」「(条件)分岐」の3種類があるといわれていますが、この処理を使って学習をする場面が意外とあるのです。これにより、児童生徒に「プログラミング的思考」を養うことができるのではないかと思います。もっとも「小学校プログラミング教育の手引き」は、「プログラミング教育全体において児童がコンピュータをほとんど用いないということは望ましくないことに留意する必要があります」と述べています。コンピュータを使ってのプログラミング体験が全くないまま、小学校の教育課程を終えることのないようにするべきところです。発達の段階に合わせて行われるべきでしょう。

そこでもう一つ、「低学年でコンピュータを使った実践事例」についてです。2年音楽「ひょうしをかんじてリズムをうとう」(参考:プログラミング教育支援ハンドブック2019)と、同じく2年国語「主語と述語に気を付けながら場面に合ったことばを使おう」(参考:小学校を中心としたプログラミング教育ポータル)では、ともにスクラッチを用いた実践が掲載されています。児童は教師があらかじめ準備したリズムブロックを組み合わせたり、再生される音に合わせて手拍子を打ったり、また、短い文章に助詞にあたる「が」「に」「を」などあてはめ、文章が正しいかアニメーションで確認したりするのです。これなら小学校2年生でも簡単に操作できます。それを支えるのは先生方の事前の準備です。先生方には複雑なプログラミングをする手間は必要になりますが、児童のプログラミングをするハードルは下がります。児童がICTに親しみ、プログラミングソフトの使い方に慣れる。そして授業のねらいにせまり、学びを確実なものにするのです。

研修の様子えひめプログラミング教育HP アンプラグドコンピューティング

スクラッチを使った実践事例 2年国語

 続いて、ビスケットを使って動く絵をつくる実習を行いました。2年国語科で扱われている物語文「スイミー」を絵で表現します。ビスケットは、スクラッチに見られるような難解な言葉は一切出てきません。自分で描いた絵を、画面中のメガネに入れることにより動かしていきます。前半の講義の場面では、「これはできそうにないな」といった表情であった先生方も、この実習では「おっ!」「これ見て!」と驚きや喜びの声を上げながら取り組み、さらには研修の時間が終わっても夢中に描いている方もおられました。まずは先生が楽しめることが大事ですね。たいへん熱心に研修にご参加くださり、ありがとうございました。

研修の様子研修の様子研修の様子