出前講座 松山盲学校

2020年9月2日 09時18分

9月1日、松山盲学校で、プログラミング教育の出前講座を行いました。新型コロナウイルス感染拡大防止策として、2つの会場をFace-Timeで結んで行いました。これはコロナ禍の中での研修の一つの在り方ではないでしょうか。会場設営をしてくださった松山盲学校のご担当の先生、ありがとうございます。

松山盲学校での出前講座サテライト会場の様子コンピュータを用いた実習 

まず、「小学校ではじめるプログラミング」と題して、「小学校にプログラミング教育を導入する理由」「プログラミング教育のねらい」「プログラミング的思考」「特別支援学校におけるプログラミング教育」などをお話ししました。コンピュータを用いたプログラミング教育は、視覚に障害がある児童生徒にとって課題が多くあります。そのため、「アンプラグドコンピューティング」の有用性をお話ししました。これはプログラミングの視点からとらえると、国語や算数、図工、体育、調理実習など普段実践している授業の中には、コンピュータが得意とする「順次」「分岐」「反復」と同じ過程があるというものです。この過程を意識して授業を構成すると、「プログラミング的思考」の育成にもつながります。

次に、市販されているイギリス生まれのロボット教材「キュベット(Cubetto)」を紹介しました。これは、簡単な命令を触覚的にもわかりやすい形のブロックをコントロールパネルに組み込むことで、コンピュータを内蔵した小型のロボットを動かすことができる教材です。これを用いた実践として、筑波大学附属視覚特別支援学校小学部の自立活動、沖縄県立沖縄盲学校小学部の外国語教育を紹介しました。なお、ロボット教材「キュベット(Cubetto)」やその活用実践事例は、プリモトイズ日本総代理店(キャンドルウィック株式会社)のホームページ(https://www.primotoys.jp/educators-jp/)に掲載されています。

最後に、「プログラミング教育の手引き」でA分類ー①に例示されている算数第5学年「正多角形の作図」を、ビジュアル型プログラミング言語を用いたソフト「スクラッチ(Scratch)」の「ペン」を利用して実習していただきました。ソフト上の部品である「スプライト」に様々なプログラミングをして正多角形を描画していきますが、難なくできる方、難航する方と、その技能は様々でした。試行錯誤しながら正しい方法を求めたり、隣の方とアドバイスをしあったりしながら取り組まれていました。これは児童生徒が楽しく協働しながら論理的思考力を身に付けていく姿そのものではないでしょうか。大変熱心に研修に取り組んでいただきました。