令和元年度専門研修【小・情報】プログラミングスキルアップ研修を開催しました。

2019年10月25日 15時36分
プログラミングスキルアップ研修

研修の様子研修の様子研修の様子

10月24日、今年度最後の専門研修【小・情報】プログラミングスキルアップ研修を開催しました。今回もこれまで同様、大変意欲的に研修に臨まれ、真剣そのもので話を聞いていました。プログラミング教育を進めるに当たり、目的意識が大切なこと、課題意識が大切であること、粘り強く頑張ることが必要なことを伝えました。また、子どもたちにやってみようと意欲を持たせることが必要であり、そのためには、子どもたちをその気にさせる教師の熱意がいることを伝え、更に研修に対する意気込みが増したように感じられました。

研修の様子研修の様子研修の様子

ICTスキルズ向上事業研究推進委員の先生方によるプログラミングを活用した模擬授業では、正多角形の作図と理科における電気の利用に関したプログラミング体験をしながら、プログラミングを組み入れた授業の在り方をイメージしていただきました。思った通りの動き方をしなかった場合は、隣の先生方と話しながら解決を図り、対話的な学習を進めることができていました。

研修の様子研修の様子研修の様子

模擬授業では、アンプラグドコンピューティングに関する研修も行いました。プログラミング教育をするに当たり、コンピュータの仕組みを理解し、上手に活用する力を付けるためには、コンピュータを使わざるを得ません。しかし、コンピュータを使わなくてもプログラミング的思考を働かせて学習する場というのは各教科にちりばめられています。その例として、割り算の筆算の学習を取り上げました。

72÷3の計算の方法を考えてもらうために、お金の模型を用意しました。10円玉7枚と1円玉2枚です。当然、3人に分けると、10円玉2枚ずつ分けたところで、等分できなくなってしまいます。ではどうすればよいのでしょうと問いかけると、両替が必要だと反応が返ってきました。そこで、余った10円玉1枚を1円玉10枚に両替をすると、1円玉が12枚となり無事72円を24円ずつに3等分することができました。

そして、皆さんにどのような手順を踏んで分けていったのかを振り返っていただきました。その手順を考えることがまさしくプログラミング的思考であり、その手順を筆算の方法とリンクさせることで、筆算のアルゴリズムを理解させることができると伝えました。このように、ある目的を達成するために手順を考えたり、条件によって方法を変えたり、同じ活動を繰り返し行ったりする学習は、教科の中にたくさんあります。指導する先生にプログラミング的思考を働かせて学習を行うという視点を持っているか否かで発問が変わってきます。そのためには、教科の学習の中に潜んでいるプログラミング的思考を働かせる場面を洗い出すことが大切であると伝えました。

研修の様子研修の様子研修の様子

最後に研修を終えての感想や各学校におけるプログラミング教育の実践、今後の取組の方向性などを情報交換しました。その中で、既に行われた勤務校での実践が聞かれ、その成果や課題を話し合うことで協議が深まっていました。

今年度この研修を3回行い、県下の小学校から計94名の先生が参加されました。どの先生方も、始めは不安そうな表情で研修に来られていましたが、研修後は何かをつかんだような晴れ晴れとした表情で帰っていかれました。大変充実した研修ができたのではないかと感じています。